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健康

汗と上手に付き合う

私たちが生きていくためには、エネルギーが必要です。体内では食事を分解してエネルギーに変える「代謝」が常に行われていますが、この代謝には熱が伴います。その熱は主に次の3つの方法で放出されます。

① 熱を外部に放出する「放射」
② 体をとりまく空気や物体に熱を伝える「伝導・対流」
③ 皮膚から汗を分泌し、その蒸発熱によって熱を奪う「蒸発」

この中で、最も効率的に熱を放出するのが汗による「蒸発」です。汗のおかげで体温を調節し、快適な状態を維持することができます。したがって、健康的な生活を送る上で汗は欠かせない要素です。

汗のニオイの仕組み

通常の汗はエクリン腺という汗腺から分泌されます。エクリン腺は体全体に分布し、体温と水分の調節を担う重要な汗腺です。エクリン腺から分泌される汗は塩分が多く、サラサラしており、新しい汗では細菌の繁殖がほとんど起こりません。そのため、汗自体にはほとんど臭いがありません。
では、なぜ汗が臭くなるのでしょうか?
その原因は、時間の経過とともに汗に皮脂やアカが混ざり合い、細菌がこれらを分解することによって、酸っぱいような“汗臭い”ニオイが発生するのです。

一方、脇の下や下腹部などには、アポクリン腺という汗腺も存在します。
アポクリン腺から分泌される汗には、タンパク質やミネラルなど、細菌の栄養源となる成分が多く含まれており、ベタベタしています。ただし、アポクリン腺から分泌される汗自体には強い臭いがあるわけではありません。
皮膚上の細菌や遺伝的な要因によって、強いニオイが発生し、“ワキガ臭”になるのです。

汗、NG対策

乾いたタオルでゴシゴシ!

たくさん汗をかいたら、乾いたタオルでゴシゴシ拭いていませんか?これはNGです。かえって汗をどんどん出してしまいます。
体温調節のためにかいた汗をタオルで拭いてしまうと、汗が皮膚表面で蒸発して体温を下げる働きが阻害され、体温が下がらなくなってしまいます。体温が下がらなければ、また汗をかき、悪循環になってしまうのです。

水分摂取量を減らす

「汗をかかないように水分の摂取量を減らそう!」はNGです。水分不足は脱水状態に陥るリスクがあります。また、水分不足によって便秘になり、腸内で細菌がタンパク質を分解して発生するニオイ成分が排出されなくなることがあります。その結果、息や汗腺から分泌される体臭が強くなる可能性があります。このような副作用が現れることがあるのです。

効果的な汗のケア

汗がたっぷりとかいたときは、軽くふき取り、皮膚表面を汗で軽く湿らせたままにしておきましょう。汗のニオイは水溶性ですので、湿ったタオルで拭くことでニオイの原因を効果的に取り除くことができます。

ニオイ「弱」

「ワキガ体質でない方は、植物由来の消臭成分が配合されたウェットシートタイプのもので軽く拭き取るだけで十分です。メントールの成分が含まれていると清涼感があり、より効果的に感じられるでしょう。

ニオイ「中」

抗菌剤のイソプロピルフェノールや銀など、ややマイルドな成分が配合された製品を選び、スプレー式を使用することをおすすめします。また、衣類に使うことができる「消臭剤」も効果的です。

ニオイ「強」

腋臭が気になる場合は、皮膚に直接塗布する「直塗りタイプ」や「軟膏」がおすすめです。塩化ベンザルコニウムなどの強力な殺菌成分が配合されたものを選ぶと効果的です。

いい汗をかくために

手足高温浴

浴槽に43~44度ほどの熱めのお湯を準備し、両腕のひじから先や両足のひざから下を10~15分ほど温めます。この方法によって、脳から遠く位置する手足に集中的に温かさを与えることができ、休眠していた汗腺を活性化させることができます。体が温まると、温かい血液が全身を巡り、体の芯を温めます。その結果、約5分後には全身から大量の汗が噴き出してきます。

半身微温浴

「手足高温浴」の後、少量の水を足して37〜38度のぬるめのお湯を作り、ゆっくりと半身浴を行います。このリラックスした時間により、交感神経が安定し、のぼせずに体の芯から内臓を温めることができます。その結果、良い汗をかくことができます。

汗の乾燥

お風呂から出た後、体の表面の水分を十分に拭いたら、すぐに服を着ずに汗を乾燥させます。急に冷房などで体を冷やすと、汗腺が閉じて体温調節が困難になるため、自然に汗が引くのを待ちましょう。このとき、リンゴ酢などクエン酸を含むドリンクで水分補給をすると、代謝が促進されて効果的です。

 

このような汗腺トレーニングを約3週間続けることで、「良い汗」をかくようになります。もちろん、日常的な運動も、「良い汗」をかくための重要なトレーニングです。

汗には敬遠されがちですが、健康的な生活にとっては不可欠な要素です。汗と上手に付き合い、良好な関係を築いていきましょう!

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