Column

高津 諭氏 コラム

高津 諭氏 コラム

健康的な身体作りのための食と運動の関係性について
私は15年以上にわたりトレーニングとダイエットについてお伝えする仕事をしてきました。いつの時代も「ダイエット法」には流行り廃りがあり、次から次へと新しい情報が出ては消えていくのが現状です。
現代の日本において食べ物が手に入らないというケースはあまり想像できません。いつでも好きなものを好きな時に食べられるといっても過言ではありません。
そんな時代にあって、自ら食事を制限して、健康を害するケースがあるということに驚きを隠せません。今も昔も変わらず、特定の食品を制限する、特定の食品だけを食べると言った極端な方法がわかりやすさも手伝いもてはやされてきました。成長期にある未成年の方にも広がっているということも耳にし、現状を危惧しこのレポートを書くに至りました。

そもそも、なんのためにダイエットするのでしょうか?
ダイエットとはなんでしょうか?

ダイエットとは目的を持って食べるということで、「食べない」ことはダイエットではありませんし、体重を減らすことがダイエットでもありません。目的意識をもって食べることをダイエットといいます。

「何を食べたらいいですか?どんなダイエットしたらいいですか?」

多くの人からこんな質問をされますが、私は必ずこう聞き返します。

「今どのようなものをどんな時間にどれくらい食べていますか?どのような目的がありダイエットをしようと思ったのですか?」

現状もわからない、目的も曖昧なまま、「方法」だけを実践しても思ったような結果は出ませんし、それどころかむしろ現状より悪くなることだってあり得るわけです。

あなたの目的が体型を変えて今よりスリムで健康的な体になりたいことだとしたら、何をすればよいでしょうか?

身体作りはダイエットとトレーニングの二本立てでいくことをお勧めしています。身体作りの土台は「食事」になります。あなたの身体はこれまで食べてきたものでできています。食事の答えをあなたの身体が表しているわけです。一方、食事だけを整えても身体を動かして整える、鍛えるということも加えないと現状の維持または向上ということにはつながりません。すなわち、なんらかのトレーニングが必要になるということです。

運動は嫌いだから食事だけでなんとかしたい!という人と、食べるものを変えるのは嫌だから運動でなんとかする!!と両極端になる人がいます。気持ちはわかりますが、どちらもうまくいきません。前者は土台である食事を整えることができますが、身体を整えることができません。後者は、運動を頑張るわけですから身体が消耗します。これをリカバリーさせ整えるのは、食事以外にありません。一流のアスリートはいいものを適切な量食べています。

目標に応じて最適な運動刺激を体に与え、適切な食事をおこなうことが身体作りの根本的な考え方になります。

私はボディの見た目を競うコンテストにも長年チャレンジしています。(画像・コンテスト)そう言った場合の体づくりとは、ゴールとして日にちが決まっています。そこから逆算して行うので減量自体は数ヶ月の短期的な勝負になります。勝ち負けがある意味成否を分けます。 一方、一般生活におけるダイエットの成功とは、何ヶ月で◯キロ痩せましたといった、インパクトを与えることではなく、誰かと競って優劣を競うものでもなく、生涯にわたり自分の生き方としての取り組みができるということではないでしょうか?

ダイエットの軸を持つこと
まず、お米をしっかり食べましょう!
お米を食べたら太る、減量するにはまずお米を減らす・・・こんな声をたくさん聞きますが、40年前の日本人はもっと米を食べていましたが今より肥満者は少なかったようです。糖質制限ということからお米を連想されるのだと思いますが、パンや麺の材料である小麦とは違います。小麦は加工しないと食べることが難しいですがお米は炊くだけで食べることができます。精製し加工度の高い糖質や、スポーツドリンクやジュース、缶コーヒーに含まれる「糖」は制限することは推奨しますが、「お米」を制限することは推奨しないというスタンスをとっています。

栄養素で考えるとお米も炭水化物を含んでいますから体内では最終的には糖になりますが、そんな次元の低い話ではなく、日本人の文化として捉えた時にお米を食べることを否定していいものかと考えます。昔から日本は「五穀豊穣を祈ってきた瑞穂の国」です。そんな日本で、お米が単なる炭水化物として疎かにされてしまうのは残念に思うわけです。

お米と相性がいいのは大豆製品になります。お米と味噌汁は最強のタッグでアミノ酸バランスもよくなる組み合わせです。この「お米と味噌汁」を軸にした食事をすれば、準備もそれほど手間がかからず、おかずはどんなものでも相性が良いのでバリエーションも豊富になります。また、脂肪の摂取も必要最小限になり、加工度合いも低い食事になりますので、減量を目的として取り組まれる方にもお勧めできるものだと思います。

ちなみに私は、ボディビルコンテストに出る際に、4ヶ月で8kg程度の減量を行いますが、この間お米は毎日1日2合(お茶碗、5〜6杯)は食べています。

ケの日、ハレの日でメリハリを持たせる
ケの日、ハレの日でメリハリを持たせる。
軸が決まればダイエットは八割型成功したようなものですが、いろいろなものが手に入る現代ではバリエーションも付けたいところです。そこで出てくる考えが「ケの日、ハレの日」です。

ケの日、ハレの日の概念は日本の民俗学において用いられた言葉です。

ケの日
日常の食事のことで、身近で手に入る穀物、野菜、魚介から構成され、その地域で取れるものを調理するということです。

ハレの日
仕事の節目などを祝ったり祈ったりしながら食べる特別な食事のことで、「ケ」よりも豪勢な食事です。誕生日パーティ、なにかの打ち上げなどがそうでしょう。
1週間単位で、おかずをシンプルにし、お米を中心に食べるダイエットをケの日とし、おかずを中心に、お酒を飲む日や外食の日、加工品を多く食べる日をハレの日と位置付けてメリハリを付けて行えば、制限を加えているという感覚を持つことなくダイエットができるというわけです。

こうでなければダメなんだ!は息苦しいことです。
健康のために身体作りのために取り組むのにあれこれ制限を加える必要はないと思います。
食事を存分に楽しむ。この気持ちが理想の体を作るのです。

高津 諭 プロフィール
広島県出身。お米を食べてボディメイクする!!大阪・兵庫を中心に活動するパーソナルトレーナー。
「食」「鍛」「整」をキーワードに、引き締まったカラダ=LEANBODYな体作りを実践・指導中。食とフィジカルコンディショニングのスペシャリストです。

大学を卒業後、フィットネス業界に入り、90年代に関西エリアでは希少なパーソナルトレーニングをスタートさせる。
エアロビクス養成コースでのトレーニング担当や専門学校で講師も担当しながら毎月100セッション以上の指導をコンスタントに行っている。
フィットネス業界誌だけでなく、一般情報誌である「月刊SAVVY」への掲載や、「日経ヘルス」では【頼りになるパーソナルトレーナー30選】にも選ばれ広く認知されるトレーナー協会や大手フィットネスクラブでの指導者養成も手がける。
未来のトップアスリート支援として、高校生アスリートのトレーニング指導に着手し、三段跳びでジュニアチャンピオン、100mで11秒中盤の選手を10秒8へと変身させるなど、幅広い活動を展開している。

  • GOLD’S・GYM公認パーソナルトレーナー
  • G株式会社オージースポーツ・パーソナルトレーナー部門プログラムアドバイザー
  • Gスポーツトレーナー協会NESTA JAPAN関西エリアマネージャー
  • NSCA-CPT取得
  • NSCA-CSCS取得
  • JFSA-トレーニング指導士取得
  • NESTA-パーソナルフィットネストレーナー取得
  • JATI-トレーニング指導者取得
  • 食アスリート協会認定インストラクター
  • 健康食育ジュニアマスター

初回無料体験(約40分)のご案内