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健康と寿命

健康・寿命について筋肉はどのような関係が含まれているのか

筋肉とは?
私たちが身体を自由に動かすことが出来るのは、筋肉が存在するためです。
筋肉には3種類あります。
  1. 骨格筋
    機能:骨に結合して身体を動かす。
    随意筋と呼ばれ、自分の意思で動かすことが出来ます。支配神経は体性神経。
  2. 平滑筋
    機能:血管、消化器官、子宮、膀胱などを動かします。
    不随筋と呼ばれ自分の意思ではコントロールすることが出来ないです。
    支配神経:自立神経
  3. 心筋
    機能:心臓を動かします。
    不随筋で自分の意思でコントロールすることが出来ないです。
    支配神経:自律神経

筋肉

筋肉の収縮について
筋肉はエネルギーを使い「縮む」ことが使命です。
筋肉を収縮させる装置は筋線維の中にある筋原線維です。筋原線維は2種類あり、「太い繊維」と「細い繊維」に分かれます。
太い繊維は主に「ミオシン」細い繊維は主に「アクチン」というタンパク質から出来ています。
筋肉を収縮させる信号が届くと、太い繊維が細い繊維を手繰り寄せ、2つの繊維がスライドする仕組みになっています。
その結果、筋原線維全体が短くなり、筋肉の収縮が起こります。骨格筋を自由自在に収縮させ動かすことで、歩いたり、物を持ち上げたりすることが出来るのです。

ミオシン

筋肉量が寿命に繋がっているのか?
筋肉量が多いと長生き出来ることが、近年の研究で分かってきております。
生後まもない赤ちゃんの時は、筋肉量は少なく、四つん這いでのハイハイや立位で少しづつ筋肉の量が増えていきます。成長期である20歳が体幹、全身、下枝一番ピークになっております。それ以降運動や食事に意識ないまま過ごしていくと70歳になると20歳に比べ筋肉量が大幅に減少していくのが一般的と言われてます。

加齢とともに遅くなる歩行速度

筋肉量が保ててるほど長生きできる?
自宅に閉じこもって、ほとんど運動が出来なかったり、入院などで動けない生活が続くと、使ってない筋肉はあっという間に落ちてしまいます。今まで出来たことが出来なくなり歩く速度も次第に遅くなってきます。
加齢とともに歩行速度が落ちていく理由は、筋肉量が減ってしまうことです。
高齢者の歩く速さで、筋肉量が多いほど長生きできることが年々分かってきました。
現在、歩く速度が遅い方も、少しずつ運動の量を加えて、バランス良い食事を摂り速く歩く意識をできると生存率を伸ばすことが出来ます。
筋肉量の減少でのリスクとは?
  • つまずきやすくなり、すぐ骨折
  • 血糖値が高い
  • 風邪や肺炎など病気にかかりやすくなる
  • 太りやすい
  • 汗かきにくい
筋肉が少ないと、運動機能だけではなく健康にも悪影響となり病気にかかりやすくなります。
筋肉減少の流れ
暮らしを支える生活では筋肉が欠かせない身体組織「骨格筋」は、分解と合成を24時間絶えず繰り返しています。
筋肉分解の速度が合成速度を上回れば筋肉量は減少していきます。筋肉量は分解と合成の「収入と支出」のバランスで決まります。

筋肉の分解が上回らないように、1日の食事バランスをしっかり摂取し運動を行うことにより筋肉の合成が行われるので筋肉の量が維持することができます。
筋肉は、空腹や疾患、ストレスなどが分解刺激となります。空腹時には筋肉の主な成分であるタンパク質(アミノ酸)の分解が進みますが、通常は食事を摂ることでアミノ酸が補われ筋肉が維持されます。
筋肉が減ることにより病気のリスクが高まる
加齢によってだんだん筋肉量が減っていきます。その影響で様々な病気のリスクが高まっていきます。

筋萎縮と運動量減少の悪循環

  1. 糖尿病
    筋肉量の減少や筋力の低下によってブドウ糖消費量が減って血糖値が上がりやすくなります。
    筋肉はエネルギーの貯蔵庫と呼ばれており、血糖値の調整を行う働きをします。食事をすると、血液中に増えたブドウ糖の一部は筋肉に取り込まれます。
    筋肉量が減ると、血糖値が上昇するのは、ブドウ糖を貯める場所が少なくなり、血糖をコントロールする力が低下するためです。そのため糖尿病になる可能性が高まります。
  2. 免疫機能低下
    病気になると私たちの身体は筋肉を分解してアミノ酸「グルタミン」を排出します。グルタミンは、免疫細胞の一種であるリンパ球を増やす。その結果、身体の免疫力が高まり病原菌を退治することが出来ます。筋肉の量が少ないと免疫細胞を増やすことが弱まり、病原菌を抑えることが出来なくなります。加齢により筋肉の量が少なくなると、病気になった時に免疫細胞を増やすことが厳しくなります。筋肉を増やす運動をしてないと筋力の低下で歩行が難しくなったり、身体の免疫力も弱まっていきます。
  3. 肺炎
    肺炎とは、細菌・ウイルスなどの病原菌や薬物・アレルギー反応、特別な免疫反応などにより、肺の中にある肺胞に炎症が起こる病気です。
    特に抵抗力の落ちた高齢者になりやすい病気です。
    高齢者にとって肺炎は非常に危険な病気です。その理由は、抵抗力・免疫力が低下している高齢者は、肺炎になりやすく、症状も急激に悪化することがあります。
    肺炎の多くの原因は風邪やインフルエンザなどの二次的に引き起こす細菌性肺炎と唾、胃液が機関から肺に入って炎症を引き起こす誤嚥性肺炎です。
    運動など普段意識してない筋肉量の少ない男性は、運動や食事を意識してる男性に比べて死亡率が約2倍になると言われております。
    さまざまな病気にならないためにも、筋肉を維持することが大切になっていきます。
サルコペニアとは?
筋肉が減り、身体の機能が低下した状態を言います。歩く速度が(0.8m/秒以下)検査で筋肉量が基準より減少していることが認められるとサルコペニアと診断されます。
こちらは太ももの筋肉のCT画像です。
身長も体重も同じでもサルコペニアの人の太ももは、黒い筋肉の部分が少なくなってます。
周りの白い部分は皮下脂肪になっております。
普段運動をしているか、していないかで身体の中はこんなにも違いが出ます。

サルコペニア

サルコペニアかも?
自分は大丈夫かな?と思いましたら実際にチェックしてみましょう!
  1. 指輪っかテスト
    ふくらはぎの一番太い部分を両手の親指と人差し指で作った輪っかで囲んで見てください。
    輪っかとふくらはぎの隙間が出来る場合はサルコペニアの可能性があります。
    サルコペニア:指輪っかテスト
  2. 片足立ちテスト
    両手を腰に当て、片脚を5㎝程上げて60秒キープします。
    キープできる時間が15秒未満の場合は要注意です。
    転ばないようにすぐにつかまれるものを用意しましょう。
    サルコペニア:片足立ちテスト
  3. 歩行速度のテスト
    6m以上のスペースを確保し、0mから6mまで歩いてみましょう。
    途中の1mから5mまでの4mの歩行に要した時間を測定してみてください。
    0.8m/秒の場合はサルコペニアの可能性があります。
    サルコペニア:片足立ちテスト

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